Format Check - 論文体裁チェック
Overview
論文の体裁・形式面を網羅的にチェックし、提出前に修正すべき箇所を一覧で報告する。LaTeX(.tex)とWord(.docx)の両形式に対応。卒業論文、研究論文、学会投稿論文など論文の種類を問わず使用できる。
When to Use
提出直前の体裁チェック。表記ゆれ、参考文献、節番号、図表整合性などを網羅的に洗い出したいときに使う。
- •論文の提出前に体裁の最終チェックをしたいとき
- •LaTeX論文またはWord論文のフォーマット不備を網羅的に洗い出したいとき
- •
.docx形式の論文に対して、誤字脱字・節番号・参考文献番号・表記ゆれ等を一括チェックしたいとき - •内容面のレビューではなく、体裁面に特化したチェックが必要なとき
code
使い分けガイド: 論文の体裁だけチェック → /format-check(これ) 論理構造・説明不足を検出+改善 → /check-articulation 卒論を包括レビュー → /thesis-review 研究論文を深くレビュー → /review-paper
Input
$ARGUMENTS
- •ファイルパス:
.texファイル、.docxファイル、またはディレクトリ(ディレクトリの場合は中の.tex/.docxを全て対象) - •
--terms <ファイル>: 表記ゆれチェック用の用語リスト(任意)
Instructions
ペルソナ
一流研究者であり指導教員として、親しみやすく具体的な指導口調でコメントする(「ここは直しましょう」「〜した方がいいです」等)。
ファイル形式判定(最初に実行)
入力ファイルの拡張子で処理を分岐する:
- •
.tex→ LaTeX モード(後述の「チェック項目(LaTeX)」を実行) - •
.docx→ Word モード(後述の「docx テキスト抽出」→「チェック項目(docx)」を実行) - •ディレクトリ → 中の
.texおよび.docxを全て対象とする
docx テキスト抽出(Word モードのみ)
.docx ファイルはバイナリ形式のため、テキストを抽出してからチェックする。以下の順で試行:
- •Read ツール: まず Read ツールで直接読み取りを試みる
- •python-docx(推奨): Read が失敗した場合、以下のスクリプトで全段落・スタイル情報を抽出する:
python
python3 << 'PYEOF'
import docx
doc = docx.Document("<ファイルパス>")
for i, para in enumerate(doc.paragraphs):
style = para.style.name if para.style else "None"
text = para.text.strip()
if text:
print(f"[P{i:04d}|{style}] {text}")
for ti, table in enumerate(doc.tables):
print(f"\n--- 表{ti+1} ---")
for ri, row in enumerate(table.rows):
cells = [cell.text.strip() for cell in row.cells]
print(f" 行{ri}: {' | '.join(cells)}")
PYEOF
- •pandoc(フォールバック): python-docx が使えない場合:
bash
pandoc -f docx -t plain "<ファイルパス>" > extracted.txt
注意: python-docx はスタイル情報(見出しレベル等)も取得できるため推奨。pandoc はプレーンテキストのみとなり見出し構造の判定精度が下がる。
チェック項目(共通 — LaTeX/docx 両方に適用)
以下の項目はファイル形式を問わず共通でチェックする。
C1. 句読点・記号の統一
- •句読点(、。)とカンマピリオド(,.)の混在チェック
- •日本語文中でカンマピリオドを使用する場合は全角(,.)であること(半角のコンマピリオドはレイアウトが崩れる)
- •文書全体で統一されているか
C2. タイトルの体裁
- •タイトルに「提案」「研究」等の冗長語が含まれていないか(研究論文なので提案・研究するのは自明)
- •英語タイトルのキャピタライゼーション: 各単語の先頭を大文字にする。ただし補助語(to, of, in, for, and, the, a, an, on, at, by, with 等)は小文字のまま。タイトル先頭の語は常に大文字
C3. 図表タイトルの番号書式
- •図表タイトルの番号とタイトルの間にスペースが1つ入っているか(例: 「図1 ○○」「表2 ○○」)
- •スペースなし(「図1○○」)やスペース過多になっていないか
C4. 章・節への言及形式
- •章や節に言及する場合に「第2章」「第2.2節」のように記述されているか
- •「2章」「2.2節」のように「第」が欠落していないか
C5. 箇条書きの多用検出
- •箇条書きが過度に使われていないか
- •特にページ数が少ない文書では箇条書きによる空白が目立つため、文章での記述を推奨
C6. 参考文献の引用形式
- •文中引用: 通常表記で記載(例: 「文献[1]では…」「Spivakら[2]は…」)
- •句読点後の引用: 上付き文字で記載(例: 「…を提案している^[1]」)
- •参考文献リストは
[番号] 著者, タイトル, 出典(学会名や論文誌名), ページ番号, 年.の順序で統一されているか - •IEEE形式の良い例(参考文献の体裁チェック時に基準として使用):
- •国際会議論文:
M. Kakeshita, K. Hisazumi, Y. Michiura, K. Sakemi, M. Matsumoto: Conversion Method of MATLAB/Simulink Model for a Functional Resonance Analysis Method-based Model, Proceedings of the 10th International Conference on Model-Driven Engineering and Software Development, pp.234--241, 2022. - •書籍:
E. Evans: Domain-Driven Design: Tackling Complexity in the Heart of Software, Addison-Wesley Professional, 2003. - •Webリソース:
Google: Gemini, \url{https://example.com/}, (参照 2026-01-26). - •データセット:
K. Chen, et al.: DomSys Dataset, \url{https://doi.org/10.5281/zenodo.XXXXXXX}, (参照 2026-01-26).
- •国際会議論文:
C7. 謝辞の用語チェック
- •「指導教官」→「指導教員」に統一されているか(「官」は公務員に使用する用語であり、大学教員には「員」が適切)
C8. 英語論文チェック(英語で記述された論文の場合のみ適用)
- •主語 "I" の多用を避けているか("The author" や無生物主語 "Chapter 3 describes…" 等が推奨)
- •強調は
"quote"ではなく italic(イタリック体)で表記されているか
チェック項目(LaTeX)
以下の項目を順にチェックし、該当箇所があれば報告する。
1. 未記入・プレースホルダの検出
- •セクションの中身が空、またはコメントだけのセクション
- •「ここに記載」「TODO」「TBD」「XXX」等のプレースホルダ
- •
\begin{comment}...\end{comment}ブロック(本文に影響する可能性) - •注意: LaTeXの
%コメントはPDFに表示されないため言及不要
2. 誤字脱字・文法ミスの検出
- •明らかな誤変換(例: 「実施に」→「実際に」、「以上」→「異常」)
- •助詞の欠落・誤り(例: 「機能想定した」→「機能を想定した」、「なじみにある」→「なじみのある」)
- •接続詞・助詞の欠落による文の断絶(例: 「AパターンBパターン等」→「AパターンやBパターン等」)
- •名詞の欠落による不完全な文(例: 「スコアによるでは」→「スコアによる評価では」)
- •「しまう」等の同一表現の重複(例: 「不足してしまうことになってしまっていた」)
- •同一段落内での同一接続詞の連続使用(例: 「なお,….なお,….」)
3. 表記ゆれの検出
- •同一概念に対する異なる表記(例: 「バリアント」と「バリエーション」)
- •固有名詞のtypo(例: CodeRythm → CodeRhythm)
- •全角/半角の不統一
- •
--termsで用語リストが指定されている場合はそれも照合
4. 参考文献の体裁
- •ページ番号のハイフン: LaTeX慣例ではenダッシュ
--を使う(pp. 1965--1970) - •著者名、タイトル、会議名の表記統一
- •URL参照の
accessed日付の統一 - •IEEE形式の準拠チェック(IEEE形式の場合):
- •著者名がイニシャル形式(例:
K. Chen)で統一されているか - •著者名とタイトルの間が
:で区切られているか - •会議名が正式名称で記載されているか(略称のみになっていないか)
- •ページ番号(
pp.XXX--XXX)が記載されているか - •Webリソースにアクセス日が記載されているか
- •データセットやリポジトリを論文形式で引用していないか(Webリソースとして引用すべき)
- •arXiv論文の場合、arXiv番号(例: arXiv:2404.XXXXX)が記載されているか
- •著者名がイニシャル形式(例:
5. label/ref の整合性
- •
\ref{...}で参照されているが\label{...}が定義されていないもの - •
\label{...}が定義されているが一度も参照されていないもの - •PDF上で
??と表示される未解決参照
6. 図表の整合性
- •
\captionの有無 - •本文中で
\refによる言及があるか - •図表番号の順序(図1の前に図2を参照していないか)
7. 定型セクションの確認
- •謝辞が記入されているか
- •目次が生成されているか
- •タイトルページの要素(氏名、所属、指導教員名等)
8. 章の改ページ
- •
\chapterを使用している場合は自動改ページされるが、\sectionベースの構成で章を構成している場合に\clearpageや\newpageが適切に挿入されているか
9. その他の形式
- •
\rule等による仮置き要素の残存 - •subfiles構成の場合、全チャプターが
\subfileされているか
チェック項目(docx)
以下の項目を順にチェックし、該当箇所があれば報告する。抽出したテキストとスタイル情報を基に判定する。
1. 未記入・プレースホルダの検出
- •セクション見出しはあるが本文が空のセクション
- •「ここに記載」「TODO」「TBD」「XXX」「〜を記述します」等のプレースホルダ・メタ的記述の残存
- •仮テキストや下書きメモが本文に混入していないか
2. 誤字脱字の検出
- •明らかな誤変換(例: 「以上」→「異常」、「構想」→「構造」)
- •タイポ(例: 「プログミング」→「プログラミング」)
- •英単語のスペルミス(例: 「Onthology」→「Ontology」)
- •文字の欠落・文字化け
3. 表記ゆれの検出
- •同一概念に対する異なる表記
- •固有名詞の表記統一
- •全角/半角の混在チェック:
- •括弧:
(vs(、)vs) - •数字:
1vs1、2vs2 - •スペース: 半角スペース vs 全角スペース
- •括弧:
- •文体の統一チェック: 「である」調と「ですます」調の混在
- •
--termsで用語リストが指定されている場合はそれも照合
4. 参考文献の体裁
- •参考文献リスト内のフォーマット統一(著者名、タイトル、出版社、年の形式)
- •番号と本文の間のスペース統一(例:
[1] 著者vs[1]著者) - •末尾のピリオド統一
- •本文中の引用番号と参考文献リストの整合性: 本文で
[N]と引用した内容が、参考文献リストの[N]と一致しているか
5. 相互参照・図表の整合性(label/ref に相当)
- •本文中で「図N」「表N」と言及した番号が、実際の図表番号と一致しているか
- •図表キャプションの有無
- •図表番号の登場順(図1の前に図2を参照していないか)
- •図表番号の全角/半角統一(「図1」vs「図1」)
6. 節番号の連番・欠落チェック(docx特有)
- •全ての章・節見出しに適切な節番号が付与されているか
- •見出しレベル(H1/H2/H3/H4)と番号体系の整合性(例: H2なのに「3.4.1」のような3階層番号になっていないか)
- •見出しレベルのスキップ(H2の直下にH4等)がないか
- •章番号と無関係な独自番号(「1.」「2.」「①」「②」等)が見出しに使われていないか
- •番号と見出しテキストの間のスペース統一
7. 定型セクションの確認
- •要旨(Abstract)の有無
- •謝辞が記入されているか
- •目次の有無
- •タイトルページの要素(氏名、所属、指導教員名等)
- •「本稿の構成」に記載された章数と実際の章数の一致
8. レイアウトチェック(docx特有)
- •両端揃え(Justified Alignment): 本文や参考文献リストが「左揃え」ではなく「両端揃え」になっているか(python-docx で
paragraph.alignmentを確認) - •段落先頭の字下げ: 各段落の先頭が1文字分字下げ(インデント)されているか。最初の行以外は字下げしない
- •段落間の間隔統一: 段落ごとに行間スペースが異なっていないか。全体で統一されているか
- •章の改ページ: 各章(H1レベルの見出し)が新しいページから始まっているか
9. その他の形式
- •数式オブジェクトの消失(括弧内が空、主語が欠落している箇所は数式消失の可能性)
- •Wordのコメントや変更履歴の残存
- •ページ番号の有無・整合性
出力ルール
- •内部用語(殿、足軽等)を出力に含めない
- •発見した問題を優先度順(致命的 > 高 > 中 > 低)に整理
- •各指摘に対し、具体的な修正方法を示す
Output Format
markdown
# 体裁チェック結果: [論文タイトル] **チェック日**: [日付] **対象ファイル**: [ファイルパス] **ファイル形式**: LaTeX (.tex) / Word (.docx) ## 致命的(提出前に必ず修正) 1. **[問題]** ([ファイル:行番号 or 段落番号]) - 現状: [具体的な記述] - 修正: [具体的な修正方法] ## 高優先度(強く修正を推奨) 1. ... ## 中優先度(できれば修正) 1. ... ## 低優先度(余裕があれば) 1. ... ## チェックサマリ
LaTeX の場合:
markdown
| チェック項目 | 結果 | 指摘数 | |-------------|------|--------| | 句読点・記号の統一 | ✅ / ⚠️ | N件 | | タイトルの体裁 | ✅ / ⚠️ | N件 | | 未記入・プレースホルダ | ✅ / ⚠️ | N件 | | 誤字脱字・文法ミス | ✅ / ⚠️ | N件 | | 表記ゆれ | ✅ / ⚠️ | N件 | | 参考文献体裁・引用形式 | ✅ / ⚠️ | N件 | | label/ref整合性 | ✅ / ⚠️ | N件 | | 図表整合性・番号書式 | ✅ / ⚠️ | N件 | | 章・節の言及形式 | ✅ / ⚠️ | N件 | | 定型セクション・謝辞用語 | ✅ / ⚠️ | N件 | | 章の改ページ | ✅ / ⚠️ | N件 | | 箇条書きの多用 | ✅ / ⚠️ | N件 | | 英語論文チェック(該当時) | ✅ / ⚠️ / ― | N件 |
docx の場合:
markdown
| チェック項目 | 結果 | 指摘数 | |-------------|------|--------| | 句読点・記号の統一 | ✅ / ⚠️ | N件 | | タイトルの体裁 | ✅ / ⚠️ | N件 | | 未記入・プレースホルダ | ✅ / ⚠️ | N件 | | 誤字脱字 | ✅ / ⚠️ | N件 | | 表記ゆれ(全角半角・文体含む) | ✅ / ⚠️ | N件 | | 参考文献体裁・引用形式 | ✅ / ⚠️ | N件 | | 相互参照・図表整合性・番号書式 | ✅ / ⚠️ | N件 | | 章・節の言及形式 | ✅ / ⚠️ | N件 | | 節番号の連番・欠落 | ✅ / ⚠️ | N件 | | 定型セクション・謝辞用語 | ✅ / ⚠️ | N件 | | レイアウト(両端揃え・字下げ等) | ✅ / ⚠️ | N件 | | 章の改ページ | ✅ / ⚠️ | N件 | | 箇条書きの多用 | ✅ / ⚠️ | N件 | | その他の形式(数式消失等) | ✅ / ⚠️ | N件 | | 英語論文チェック(該当時) | ✅ / ⚠️ / ― | N件 |
Guidelines
- •体裁面に徹する。内容の論理的な指摘は
/check-articulationや/review-paperの役割 - •LaTeX モード:
%コメントはPDFに出ないため言及しない - •Word モード: python-docx で取得したスタイル情報(Heading 1/2/3 等)を活用し、見出し構造を正確に把握する
- •問題がない項目も「✅ 問題なし」と明記し、チェック漏れがないことを示す
- •複数ファイル構成(LaTeX subfiles / ディレクトリ内の複数 docx)の場合、全ファイルを横断してチェックする
- •チェック結果のファイル出力: チェック完了後、結果を対象ファイルと同じディレクトリに md ファイルとして書き出す。ファイル名は
<元ファイル名(拡張子なし)>-format-check-<YYYY-MM-DD>.mdとする(例:main-format-check-2026-01-30.md)。日付はdateコマンドで取得すること